今回は,「有意差のないデータ」についてです。最近増えてきている,有意差が得られないデータをどうとらえていけばいいのでしょうか。
第5弾:「有意差がない=無効」ほんとにそれでいいですか?
CORE Journal 循環器 no2 (2012年秋冬号)で取りあげる,
CQ3:糖尿病の脳・心血管イベントの一次予防としての抗血小板薬の有用性は?
で検索した,メタ解析について伺っていたときのことです。
CQ3:糖尿病の脳・心血管イベントの一次予防としての抗血小板薬の有用性は?
で検索した,メタ解析について伺っていたときのことです。
― この5件のRCTのメタ解析と,6件のRCTのメタ解析の主要心血管イベントが減る方向で一貫していますね。
↑確かに,ともにアスピリンを投与した介入群でイベントが減少しています。でも先生,信頼区間をみても有意な差は認められなかったようですが・・・。
― まぁそうですが,このような結果をどう考えるかは非常に重要だと思いますよ。2つのメタ解析で,ともに主要心血管イベントリスクが10%程度減る方向で一貫しているわけですからね。
↑なるほど・・・。このことをどのように考えたらよいのでしょう。
― 個別の患者で考えたときに,1割心筋梗塞が減るならば,費用と副作用を考えても飲みたいと考える患者はいるような気がしますね。
↑そうか・・・。ここでもやはり,副作用・費用などとの兼ね合いもありますね。
― 「10%のリスク低下」が介入に値するか,しないのか,ということは,もちろんそのイベントの内容,副作用などとの兼ね合いがありますね。ただここで強調したいのは,「有意差がないから無効」とだけ短絡的に考えるのはもったいないということです。
これはちょっと話が逸れますが,頸動脈エコーで大きなプラークがみつかったようなハイリスクの患者に対して,アスピリンを処方するという道筋があるならば,ローリスクの中のハイリスク患者を同定してRCTを行ったらどうなるでしょうか。気になるところですね。
これはちょっと話が逸れますが,頸動脈エコーで大きなプラークがみつかったようなハイリスクの患者に対して,アスピリンを処方するという道筋があるならば,ローリスクの中のハイリスク患者を同定してRCTを行ったらどうなるでしょうか。気になるところですね。
CORE Journal循環器 no.2の編集工程も佳境に入り,ゲラとにらめっこの日々を送っています。。何度みても,あらら・・・なミスがみつかるのはなぜ??
ブログの更新が滞りがちですが,続けていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願い致します!!