しょうがなく,Clinical Study Categoriesの『Scope』を,narrow(漏れがある可能性はあるが,適切でない文献は少ない)から,broad(適切でない文献が含まれる可能性はあるが,漏れは少ない)に変えて,ひぃひぃ言いながら膨大な数の文献リストと格闘していました・・・。アブストラクトを読むだけでも膨大な時間がかかることもしばしば。
これではいかんと,あるとき名郷先生に相談すると,
「これは,『Category』をTherapyではなく,Etiologyか,Prognosisを使うべきです」
と教えていただきました。
「え・・・?カテゴリー? 何でしたっけそれ。」 あろうことか,編集部ではいつもClinical Study Categoriesの『Category』を“Therapy(治療)”にしていたまま,検索を行っていたのでした。『Category』を,よくよく見てみると,確かにほかにも
- Etiology(病因,副作用)
- Diagnosis(診断)
- Prognosis(予後)
- Clinical Prediction Guides(臨床予測指標)
早速,試してみました。例えば,糖尿病患者で,アスピリンを投与された方の重大な出血の頻度は? という疑問の場合,フィルターは“Therapy(治療)”よりも“Prognosis(予後)”にしたほうが,検索がうまくいくことがわかりました。
画面左中央の『Category』で,フィルターが選択できます |
「疑問の種類によって,求めるエビデンスの種類も異なる」
ということを考えもしていなかったのです。例えば,“予後”に関する疑問を検討する場合は,RCTより,むしろコホート試験が適しているそうです。
これ以降,編集部では挙げられた疑問の種類が “治療”についてのものなのか,それともそれ以外の “診断” ,“予後”,“副作用”なのか・・・?についても確認しながら検索するようにしました。
ということで・・・ ステップ1,2,3,4,5の5回にわたり,Clinical Queriesを用いた検索の基本を紹介してきました。でも実際にやってみると,そんなにすんなりとはいかず・・・,名郷先生には何度もお世話になりました。今後,「困ったときの解決法」についても紹介していきたいとおもっています。次回は第一弾として,MeSH termについてご紹介します!
「予後」について検討している本誌記事【PDF全文】はこちら
no.3 2013 春夏号
「予後」について検討している本誌記事はこちら
no.5 2015 春夏号
CQ 3 肥満症に対する外科治療の効果は?
no.2 2012 秋冬号
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